[story]
地下の下水道を疾駆するネズミの群れ、都市ノイズを真似る野鳥たち、ゴミ箱を漁り肥満したカラスやムクドリ、化学物質に群がる蝿や蜂、埋立地に捨てられ野生化した犬や猫、ビル街に産卵する蝉などの昆虫類、光を拒絶する植物、コンクリートや鉄に寄生する植物群、汚染された運河、移動民としての浮浪者やストリート・キッズ、そして都市の闇から突如姿を現すであろう都市幻獣たち……。
都市に棲息するあらゆる生き物の擬似自然的風景を舞台に、<都市の魔>、<都市の欲望>が産み落とした現代のモンスター<タケル>の都市漂流譚。
[note]
<漂流>シリーズ「王國」三部作の第一弾。
林立する丸太上に40名の役者が現われるオープニングシーン、オオサカの町を載せた大回転舞台が話題に。
近未来のオオサカ・シティに生まれ落ち、闘いに生きる孤児・タケルと、
地下水脈を辿って現われた古代の少年たちとの交感の物語。
この作品のベースとなったNHK-FM放送のラジオドラマ「少年漂流伝」が
98年上半期のギャラクシー賞を受賞。
[critic]
山台と呼ぶいくつもの移動舞台、吹き上げる蒸気、丸太三千本は使ったという舞台装置は迫力十分。南港の高層ビルや巨大クレーンを背景にした維新派の「王國」は、一瞬、いまいる所が近未来の大阪なのではないかと思わせる不思議な空間をつくり出した。(産経新聞)
都市の古層から次第に姿を現す神話的世界。細胞の一つ一つを揺さぶるような音楽、めまぐるしく展開する舞台装置、吹き上げる蒸気、様式化されたダンスと言葉がそれを鮮やかに彩る。舞台のかなたには南港の夜景が広がり、現実と虚構が奇妙に混じり合う。~中略~言葉が聞き取りにくいのが難点だが、それを補ってあまりあるイメージの氾濫に圧倒される二時間だ。(朝日新聞・今村修氏)