ヒカルは蒸気工場で働きながら街のはずれにある映画学校に通っている。脚本担当のユタンポ、作曲のジンタン、キャメラのワッペン、監督のゲッセカイ、元捕虜の少年ヂムレンたちと卒業制作の映画を作ることに懸命だ。 4月5日、ヒカルたちは兵隊たちに護送される少年兵ハルハを目撃する。逃走したハルハをかくまうヒカルたち。ヒカルたちは卒業制作の映画「ROMANCE―走れフランケンシュタイン」にハルハを出演させて。
蒸気と映画と戦争の街<cock-city>は映画の撮影セットのような緻密に作り上げられた架空の街。 奥行き40mの彼方から戦車型カメラとともに少年たちが現われるシーンは圧巻。 劇中映画を林海象、主題歌を木村充揮が担当。

| 作・演出 | 松本雄吉 |
|---|---|
| 音楽 | 内橋和久 |
| 美術 | 林田裕至・吉田悦子 |
| 劇中映画監督 | 林海象 |
| 主題歌 | 木村充輝(憂歌団) |
| 照明 | 柿嵜清和 |
| 音響 | 松村和幸・川田紀代子・move |
| 衣装 | 樋口敦子・井上真理子・池上久代 |
| 特殊効果 | 野田豊年 |
| 舞台監督 | 大田和司 |
| 宣伝写真 | 福永幸治 |
| メイク | 森永かおり |
| デザイン | 加藤大治・G.K,Tom |
| 制作 | 有田亜李子・折中ちえ・花田亮子 真藤芳江・堀綾女 |
| 声の出演 | 磨赤兒 知久寿焼(たま) 津山篤(想い出波止場) 上諸尚美 Andreas Schiekofer 松島和子 古後奈緒子 |
| ハルハ | 赤松みさき |
|---|---|
| ヂムレン | 加茂大輔 |
| ユタンポ | 石本由美 |
| ヒカル | いがらしだいすけ |
| ゲッセカイ | 尾崎聡 |
| ジンタン | 平野舞 |
| ワッペン | 柴原佳孝 |
| ガンダン | 山崎誠 |
| ダンヤン | 石野樵 |
| ヤンチャン | 前田武史 |
| シーナン | ぽんず |
| ナンチン | とりいまり |
| チャンシー | 平居孝幸 |
| 少年兵 | みずちおむ・ニシイミカ・大駕直央 エレコ中西・西岡雪菜・ゆかい・園田綾乃 |
| 洗濯女 | 竹山らいち・内山昌美・香山知世 小山加油・石黒陽・四谷エスタ・タカノ |
| 兵隊 | 草壁カゲロヲ・岡博史・池田剛 フルカワタカシ・木村文典・トキ 南田和紀 |
日程/1996年10月25日〜11月5日
場所/大阪・南港ふれあい港館広場野外特設劇場<kinetic-theater>
主催/毎日放送・維新派
大阪府舞台芸術奨励賞受賞
映像演劇と言ってもおかしくないくらい、鋭く鮮烈なイメージを連打するこの舞台に私は心を動かされたが、同時に維新派の舞台が不思議な二律背反の上に成立していることも強く感じた。たとえば、強烈な生のパフォーマンスを展開しながら、演技には熱い生理的な感覚が薄く、むしろ鉱物的な冷たさ、硬質の間接性を感じさせることである。〜中略〜維新派の魅力の中心にあるのは、おそらくこの二律背反を激しく生きる情熱なのだ。(Art Perspective・扇田明彦氏)