「水街」 舞台遠景画像

水街

[story]

「水街」 舞台近景遠景画像 舟で旅するタケルは偶然に水路に落ちたカナという少女を助け、その姉であるナオと知り合う。ナオとカナが住んでいるのは、水の上に建てられた移民の街。沖縄からの移民である彼らの仲間、マサモリやセントクとも仲良くなったタケルだが、再び太平洋を西に向かう旅に出る。ナオの元にブラジルにいる叔父からの手紙が届く。ナオとカナはブラジルに移民する決意をして。

[note]

「王國」三部作の第二弾。舞台に巨大なプールを建設し、明治・大正の産業革命期の煙の都、オオサカを舞台に、水際で暮らす漂流民の生活を描く。水上に建つバラックの家、主人公タケルが暮らす舟の家など、実際に水を使用することでリアリティあふれる舞台となった。また、この作品で維新派は初の海外公演を果たし、オーストラリア・アデレードに南港と同規模の劇場を建てた。

[staff]

作・演出 松本雄吉
美術 林田裕至
音楽 内橋和久
主題歌 『大空よ』/木村充揮&有山じゅんじ
劇場プラン 大田和司
照明 柿嵜清和・PAC
音響 松村和幸・move
音響効果 塚田珠美・吉崎千寿
舞台監督 大田和司
衣裳 井田香苗・山田真由美
ヘアデザイン 新宮延子
メイク 森永かおり・名村ミサ
美術協力 吉田悦子
特殊効果 野田豊年
溶接 庄司正幸
アプローチ 荒島智子
宣伝美術 東学
宣伝写真 福永幸治
制作 衛藤千穂・柴田友美・仲澤美保子

[cast]

タケル 田中慎也
ナオ 春口智美
カナ 碇加古
   
トクヘイ 石黒陽子
ヘイキチ 新田ヒロユキ
トヨ 岩村吉純
キクヤ 升田学
マサモリ 石本由美
セントク 小山加油
ヨシマツ 近藤和見
タイラ 田辺泰志
   
男たち 木村文典・草壁カゲロヲ・鮫島さとし
平居孝幸・ちくりん・松村紫雲
阿部弘秀・西山浩史・真嶋淳太
鹿田大樹・藤木太郎・大岸孝行
女たち 四谷エスタ・石丸史夏・園田いばら
大西千晶・タカノ・久慈麻美
川田きよ・西村らんぷ
少年工・ジャリンコ 平野舞・みずちおむ・大駕直央
ぽんず・赤松みさき・とりいまり
エレコ中西・坂しおり・稲垣里花
江口佳子・徳納雪子・碇加古

[data]

日程/場所
1999年10月22日〜11月8日/大阪・南港ふれあい港館 野外特設劇場
2000年3月4日〜3月17日/オーストラリア・アデレード
主催/毎日放送・維新派
動員/7500人

[award]

大阪府舞台芸術賞

[critic]

観客は、この作品がもつ音楽、デザイン、身体表現というオペラの普遍的な要素に強くひきつけられた。アデレードがこの並はずれた公演を(日本以外では)世界で初めて見ることができたのは幸運だ。『水街』は疑いもなく、芸術祭の最高の目玉である。(オーストラリアン紙)

圧巻はすべての装置が取り払われたラストシーンだ。戦災、復興、そして高層ビル群と、めまぐるしく装置が移り変わった後の広大な空虚。残ったのは舞台一面に張られた水だけだ。水面に反射した照明が舞台を揺らめかせる彼方を、かつての少年たちがゆっくりと横切っていく。日々の暮らしの中で思い返すこともなくなった、甘酸っぱいふるさとの原風景。幻想的なシーンの中に、それが確かに見えた。(朝日新聞)

[goods]