[story]
―むぎわらの ひさしのかげの 白昼夢―
「空の明るさと地上のそれとが同じになる頃少年は決まって神隠しにあう」と云ったのは確か江戸川乱歩だ。少年は神の國に通じる秘密のトンネルを心の無垢に持っていて、常にあの世からの誘惑に心ふるえている。
常に少年を主人公に言霊の宇宙的エコーを現代オペラとして表現してきた維新派が、南紀熊野の大斎原旧社地のまさに天と地の境界に黄泉の世界と交信する少年たちの秘めやかな遊戯を取り行なう。地の底の音を聞き、花と語り、虫や鳥たちと戯れ、天へ歌いかける少年たちの遊戯はひょっとして<現代音楽>と呼ぶに相応しいのかもしれない。
